乏精子症

このページでは男性側の不妊原因となる乏精子症に関して説明しています。症状としては自覚が難しく、精液検査も一度だけでは判断が難しい病態です。乏精子症が単体で引き起こされるというよりは、他の病気によってなっているという事も多いので、層の辺りについても解説していきます。乏精子症と診断されたからといって、必ずしも自然妊娠出来ないという訳では無いので、正しい知識と解決策で子宝に恵まれるよう頑張りましょう。

乏精子症とは、年齢などの様々な原因によって造精機能に異常が起こり精液中の精子濃度が乏しく、WHOの定める精液所見を満たしていない場合に診断されます。射精された精液自体に存在する精子が少ないために、自然妊娠が難しく、男性不妊の９割を占めているともいわれています。主に精液所見を基に診断されますが、女性側の不妊検査とは違い、検査時のストレス状況や疲労度によって著しく変化してしまうので前回の検査では異常が無かったのに、今回は数が少ないという事もよくあります。一度の検査では判断できない場合が多いので、不妊クリニックなどで基準を満たせていなかった場合は男性不妊専門のクリニックや泌尿器科での診断をお勧めしています。WHOの定める基準については、診断基準の部分で詳しく説明していきます。精子の数が乏しく少ない場合を乏精子症、全く存在していない場合を無精子症と言います。

乏精子症の原因と診断基準

乏精子症の原因

乏精子症は原因不明で起こる事もあり、明確な原因は様々ですが、造精機能の障害によって精子が作られなくなっている場合がほとんどです。遺伝的な要因として染色体異常であるクランフェルター症候群やY染色体異常による欠乏によって乏精子症や無精子症の原因になる事が分かっています。その他にも、ストレス、喫煙、過度のアルコール摂取、肥満、服薬による副作用など様々な生活習慣によって造精機能に異常をきたすという事もあります。睡眠不足によって十分な睡眠の深さが得られず、成長ホルモンの分泌が少なくなることによっても正常な生殖機能の維持が出来ず引き起こされる場合もあります。精索静脈瘤も乏精子症の原因となります。精索静脈瘤とは、精巣から心臓に戻る静脈内の血液の逆流によって精巣周囲に瘤が出来てしまい、腹部で温められた血液が逆流し精巣内の温度が上がる事によって精子にとっては良くない状況を作ってしまいます。不妊に限らず、健常な男性の１５％程度は精索静脈瘤が存在すると言われています。よほど進行しない限りは自覚症状も無いので気付かない事がほとんどです。

乏精子症の診断基準

乏精子症はWHOの定める精液所見を基に診断されます。2021年時点ではWHOの定める精液所見は精液量１.４ml以上・精子濃度１６００万/ml以上・運動率(直進率)４２％以上・奇形率９６％未満となります。これらのうち、特に精子濃度が基準を満たしていない場合に乏精子症と診断されます。健常な成人男性の場合、５０００万～１億/mlほどで、自然妊娠の為には４０００万以上が望ましいとされています。自宅での採精の場合、時間、温度など様々な要因によって精液所見が悪化することもあるので、クリニックに行って採精する事をお勧めします。精液検査のための禁欲期間も関係しており、長すぎても短すぎても結果に影響するので３日(72時間)程が最も良いとされています。

自分で出来る解決策

自分で出来る解決策としては、まずはストレス・疲労・嗜好品(特に喫煙や過度のアルコール)の除去です。精液所見は日々のストレスや、疲労度によって大きく変化するので、日常的にストレスを感じている、疲労が抜けていないという自覚がある場合は改善していく必要があります。睡眠不足も大きな要因となります。深い睡眠によって分泌される成長ホルモンには、特に男性の生殖機能を正しく保つといった働きがあります。この成長ホルモンは、深い睡眠がとれていないと分泌量が減ってしまうので、睡眠不足を感じていたり、起床時に熟眠感が得られていないという方は睡眠習慣の見直しも必要になります。

男性不妊に有効な栄養素としてはビタミンEやファイトケミカルと言われる色味や香りの強いものに含まれる抗酸化作用の強いものがおすすめです。他にもマカやアルギニン、葉酸、亜鉛なども有効とされています。

乏精子症の治療法

泌尿器科での治療

乏精子症の場合、主に泌尿器科での治療となります。低度の乏精子症であれば、投薬や漢方によって改善が見込まれますが、精索静脈瘤などの明らかな原因がある場合は、瘤を除去する手術を行ったり、それでも改善が見込まれない場合は精索静脈内の精子を取り出しての顕微授精が行われます。

鍼灸院での治療

主な治療は鍼灸治療と睡眠・生活習慣の指導になります。頭部への鍼刺激によって自律神経のバランスを整え特に骨盤の中央にある仙骨という骨の後面に空いている孔(後仙骨孔)に鍼通電を行います。睡眠指導を行う目的は、生殖機能を保つために必要な成長ホルモンの分泌を促せるように、深い睡眠をとれる習慣を身につける為です。正しい睡眠習慣を身につける事によって、コルチゾールというストレスに対抗する為のホルモンの分泌リズムも整えられるので日常的なストレスにも対処がしやすくなります。鍼灸治療、睡眠改善指導共に、精子の基となる細胞から精子が作られるまでにある程度期間が必要なので改善までに最低でも３カ月は必要になります。

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妊活担当の原です。
人生のテーマは「歩妊活」

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当院の不妊鍼灸の治療の流れは、初回はカウンセリングにて不妊期間や病院での検査履歴などのお話を聴かせて頂き、現在に至るまでの不妊治療のステップや現状の把握をさせて頂きます。

次に舌や脈、腹部を診させていただき体の中の状態を把握します。

その後、妊娠に必要な体の状態、鍼灸をどういった目的で行うのかどの様な効果が期待できるのかを説明させていただきます。

そして妊活のゴールを決めていただき、その為に行う必要がある治療の流れ、治療頻度、必要な期間と費用について説明させていただきます。それらの説明に対してご納得いただいたうえで、次回の来院日を決めさせていただき不妊治療の開始という流れです。

不妊治療はいつから始めればいいの？とよく聞かれますが日に日に身体は変化していくので早ければ早い程良いです。カウンセリング以降、公式LINEで常にコミュニケーションをとれる状態にしていますので当院での治療に関しての事や、不妊治療で分からない事など、どんなに些細な事でもご相談ください。
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